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七拾七年会御礼&年末のご挨拶

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先日は七拾七年会にご来場いただきまして、誠に有り難うございました。おかげさまで多くのお客様にも恵まれ、何とか無事に二夜連続の公演を終えることが出来ました。厚く御礼申し上げます。

多くの方がご存じのことと思いますのでここにも書かせて頂きますが、従兄の文志が10月末に大きな病の為に長期療養いたしました。それがちょうど七拾七年会の番組決定の時期と重なりましたため、最終的なご案内も遅くなり、また日程が年末の仕事納めの辺りということもありました為、当初は多くのお客様からすぐにはお返事を戴けずにおりました。さらに私自身も秋口より喉の調子がずっと悪く、果たして無事に舞台を勤められるかと不安に思う日々を過ごしておりました。正直なところ、今まで七拾七年会をしていてこれほど不安を感じたことはありませんでした。しかし、最終的には多くのお客様がお忙しい中を調整してご来場下さり、また私自身も何とか回復して、無事に公演をさせていただくことが出来ました。どんなに自分自身が精一杯勤めたところで、お客様に観ていただけないのでは舞台として意味がありません。多くのお客様の中で舞台を勤めさせていただいたことは、本当に幸せなことでした。

また従兄も、当初の症状から考えると奇跡的な回復を見せて、先月無事に大曲「安宅」を勤めましたことは、多くの方がご存じの通りです。最初に従兄の病が「白血病」と聞いた時には目の前が暗くなるような衝撃を覚えましたが、一番つらかったのは間違いなく本人であったと思います。しかし、出来るだけそのような素振りを周りには見せずに、療養に専念した結果勤めた「安宅」は、文字通り彼の魂を賭けた舞台であったと、同じ舞台に立ちながら感じておりました。そして、自分も少しでもそこに近づいて行こうと、今回の舞台に臨むことに致しました。まだまだ未熟な部分ばかりであったかと思いますが、自分自身の中では、舞台に立つ上で何かをつかむきっかけとなった気がしています。うまく言葉にできないのですが、少しは能楽師らしくなるためのヒントを得ることが出来たというか…。このたびのことを契機に、さらに心身ともに鍛え直して、皆様に感動を与えられるような舞台人を目指して参ります。

今回は緊急の対応、並びに大事を取る形で、私が2日連続のシテとなりましたが、来年以降はまた文志と1番ずつ、文字通り2人3脚で、そして他の同人たちとも力を合わせながら七拾七年会を開催して参ります。どうぞ引き続き応援頂きますよう、宜しくお願い致します。

今年は初の自主海外企画に2番連続のシテと、まさしく休む間もないほどの日々でしたが、そのような機会を与えて下さった多くの方に心より御礼申し上げます。また多くの方との出逢いに満ちた年、昨年の道成寺にも増して充実した1年を送ることが出来ました。

皆様、一年間どうも有難うございました!引き続き、来年も宜しくお願い申し上げます! どうぞ良いお年をお迎えくださいね(*^▽^*)
2014年も皆様に多くの幸せが訪れますように☆
武田宗典