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2014年4月 インタビュー

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Q. ゴールデンウィークを目前にした今回は今月末から来月にかけてのイベントについてお伺いしたいと思います。まず4月29日(火・祝)に港区・増上寺会館で行われるイベント「向源2014」に御出演されますね。こちらは昨年に引き続き2回目の御出演となります。詳細→http://kohgen.org/event/10 ※チケット残りわずかです!

A. 昨年から参加させて頂いているこのイベントは、宗派を超えて集まった僧侶達によるインターネット寺院「彼岸寺」の有志の方々が、東日本大震災をきっかけに沢山の頑張っている方々へ一瞬でもスイッチをオフにしてリラックスして欲しいという願いを込め、2011年9月に仏教と音楽を軸とした安らぎを与えるイベントとしてスタート致しました。
昨年は品川の複数のお寺で、複数のイベントを同時に開催しましたが、今回場所は増上寺会館に集約し、その中の能楽のパートを受け持つ事になりました。昨年は装束を付けて「羽衣」の一部を舞いましたが、今回は昨年7月にシアトルで行った侍体験ワークショップを是非やって欲しいというリクエストを頂きましたので、そちらを含めたワークショップを行う予定です。もちろん、実演もお見せ致します。

Q. お寺でなさるという事で普段とは違う部分はありますか。

A. 元々能楽は宗教劇で仏教的要素も多分に含んでいる芸能なので、その辺りにもスポットを当てたお話しも出来るのではないかと思っております。

Q. 次に武田宗和家主催の初陽会(そようかい)についてお聞きします。これはお父様の宗和氏と宗典さんに直々にお稽古をつけてもらっている方々(お弟子さん)の発表会という事ですが、詳しく教えて頂けますか。

A. 4月末から5月初旬というのは発表会(素人会)シーズンなのですね。親戚関係で申しますと4月27日に武田尚浩家の謳潮会(おうちょうかい)に始まり、5月6日が武田志房家の謳楽会(おうらくかい)、そして5月11日(日)が当家の初陽会となります。初陽会は父・宗和が始めた会で25年以上続いている会です。毎年、東京と福岡で開催しており5月の初陽会は九州のお弟子さんと中心とした発表会で福岡・大濠公園能楽堂で行います。東京の初陽会は通常10月の第3土曜日に行っております。
詳細→http://www.ohori-nougaku.jp/lineup/%e5%88%9d%e9%99%bd%e4%bc%9a

Q. いずれも無料なのですね!!

A. そうです。素人会ではお弟子さんたちの発表会ではありますが、番外としてプロの能楽師の本格的な実演もあります。今回、謳潮会では武田崇史さんが能「小鍛冶」を勤められますし、初陽会では私が九州在住の太鼓方・吉谷潔氏と一調「山姥」を、また終盤には従兄の友志の長男・章志と仕舞「橋弁慶」を勤めます。トメは父・宗和が舞囃子「籠太鼓」を勤めさせて頂きます。

Q. 無料なのに、盛り沢山!すごくお得な気分になりますね。お弟子さん達にとっては発表会という事ですごく緊張なさる一日になるかと思いますが。

A. 舞台に立つという意味では緊張もされるかと思うのですが、普段のお稽古の時に皆さん熱心に取り組んでいらっしゃるので、私としては非常に安心して見ております。また終わった後は毎回宴会のお席を御用意しているのですが、お弟子さん方は舞台を終えられた達成感と安堵感で大いに楽しまれ、大変盛り上がるのです。舞台に立たれるまでは、出ようかどうしようかと迷われる方も多いのですが、終わった後は皆さん「やって良かった」と仰います。宴会ではプロの能楽師の皆さんとお弟子さん達の距離感も縮まりますし、お稽古場が違うお弟子さん同士のコミュニケーションも一気に深まります。後々、私共が出演する舞台を御覧になる際などに再会されて、御挨拶されたりする様子を伺うと、私も本当に嬉しく思います。

Q. 普段舞台で拝見しているあの!能楽師の方と舞台で共演できるというのも魅力ですよね。習える芸能である能楽ならではですね。では最後に5月19日(月)宝生能楽堂で行われる能楽祭のお話を伺います。

A. こちらは公益社団法人能楽協会が主催する公演です。今回で3回目となります。能楽協会主催という事もあって普段はあまりない他流の方々との共演となります。
詳細→http://www.nohgaku.or.jp/playinginfo/info.html?id=1338
今回父が能「仲光」のシテを勤めます。仲光は能には珍しく芝居の要素が強く、歌舞伎を思わせる人情劇的な作品です。そして、あまり上演されない作品でもあります。と申しますのが、まずしっかりとした子方が2人いないといけない。またシテも然る事ながらツレの多田満仲も力量のある方でないと成立しないので、配役が難しいという事があります。

Q. 面白そう。是非観てみたいですね。他におススメのポイントはありますか。

A. 能楽協会主催ならではということで、シテ方五流、狂言二流などの能楽界を代表するメンバーが一堂に舞台に会します。また文字通り「お祭り」という事で、お楽しみ抽選会や、終演後に出演者が参加するカクテルパーティーがあります。たった今舞台に出ていた能楽師と直接お話し出来るチャンスです。沢山の能楽師の方が参加なさるので是非足を運んで頂ければと思います。

-新緑の鮮やかなこの季節、是非伺いたいと思います!!各公演、楽しみにしております!!
(インタビュアー:前田玲奈)