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2014年1月 インタビュー

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-明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
新年1回目の今回は昨年を振り返って、また今年の抱負などを中心にお伺いしたいと思います。まず御正月はどのように過ごされましたか。

昨年の末(12月26、27日)に七拾七年会があり、今回はシテを2番勤めさせて頂いたのですが、その後の会の残務処理などもあり年末はずっと作業に追われていました。元日は毎年恒例の観世宗家の謡初がありました。3、4日にようやく休みが取れたのですが、そこで電池が切れたような状態になり(笑)ずっと自宅でのんびりしておりました。
5日は観世会の初会がございましたので、そこから通常通りの生活に戻りました。
例年ですと1月の2週目はスケジュールが空く事が多いのですが、今年は大阪で謡サロンを開催したり、お稽古を付けたり、プロの能楽師同志が集まってお稽古会を開いたりと既にフル始動で活動しています。

-相変わらずお忙しい毎日ですが、まずは昨年を振り返ってどんな1年だったかお聞かせ頂けますか。

少し話が遡りますが、一昨年の2月に道成寺を披かせて頂いて、その後から徐々に色んな形でのお仕事も増えてきて忙しかった1年だったのですが、昨年はそれにも増して充実した1年だったと思います。
4月は矢来能楽堂で行われている観世喜之先生主宰の「のうのう能」にゲストとしてお招き頂き、「忠度」のシテを勤めさせて頂きました。他会にゲストで、しかもシテとしてお声掛け頂く事はなかなかない事なので、非常に有難く勉強にもなった舞台でした。

-私も拝見させて頂きましたが、宗典さん効果!なのか当日はギュウギュウの満席でしたね。見所にも熱気が溢れてました。

6月には朋之会で「半蔀」のシテを勤めさせて頂きました。動きの少ない曲なので、動きのない部分でどのような空気を作り出せるかという事を意識しました。ご覧になっている方には、やや退屈に見えるかもしれませんが、曲自体を掘り下げて考えていく作業も楽しく、何もない所に何かを表現するというのは自分にとってチャレンジでもありました。

そして何より昨年の自分自身の中核となった舞台が、6月末からのシアトル・バンクーバーのワークショップ企画公演でした。準備を始めたのが同年の元旦からでしたから、現地の方とのやり取りや企画・舞台構成など自分自身で全て行ったため、実際舞台に立つ当日まで寝ないで作業をするという日も多々ありました。この公演が現地でも大変好評を博し、成果を認められ、本年も9月にシアトル公演(本年はシアトル・アクトシアター側より招聘)が決まりました。ずっと願っていた海外公演が、今後の自分自身のライフワークの1つになるための土台作りが出来たように思います。

また以前HPにも記載させて頂きましたが、10月に従兄弟の文志が病気を患ってしまい、12月の七拾七年会では急遽2日連続でシテを勤める事となりました。図らずもこのような事になってしまったのですが、自分にとってはこれもいい経験となりました。今後、会を催す際、1日2公演であったり、2日連続でシテを勤めるという事もあるかもしれません。実際、本年9月のシアトル公演ではそのような番組構成になっていますし、これからチャレンジしていく事の1つでもあるかなと思います。

昨年は例年にも増して本当に沢山の方々との出会いがあり、大勢の方に支えて頂いた1年でした。この出会いを大切に、末永いお付き合いを皆さんと続けていけたらいいなと思っております。

-お聞きしているだけでも大変お忙しく、また沢山の新たな事にチャレンジなさった1年だったのだなと思います。では2014年の抱負などお聞かせ下さい。

舞台情報と致しましては上半期の主なところは3月5日(水)国立能楽堂定例公演で「船橋」のツレ、3月30日(土)朋之会で「屋島」のシテ、7月12日(土)七拾七年会で「鉄輪」のシテ、7月27日(日)夏休み親子能楽ワンダーランドで「船弁慶」の後シテなどがあります。そして9月下旬からシアトルツアーがあります。(詳細は後日掲載します)

そして今年は体力作りを重点的にやっていきたいなと思っています。この2、3年を振り返ると年々忙しくなってきているのですね。今までに特に体に支障が出たという事はなかったのですが、昨年の秋口から少し喉の不調がありました。喉は自分にとって商売道具ですから、大事に使っていかなくてはならないなと痛感しました。喉だけに限らず、身体全体をしっかり自己管理して、体力作りに励みつつ、充実した舞台をご覧頂けたらなと思っています。

-今月はお誕生日(1月20日)でいらっしゃいますね。今年は年男!だそうですが、プライベートでチャレンジしてみたい事などはありますか。

英会話ですね!!
幸い昨年のシアトルツアーで外国人の方とも沢山知り合えましたので、その方々とコミュニケーションを取りながら勉強をしていこうと思っています。やらないとマズイと思ってます(笑)

(インタビュアー:前田玲奈)