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謡「高砂」四海波

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『高砂』は能の中でも、最もめでたい曲の一つですが、中でもこの地謡の一節は俗に「四海波」と呼ばれ、特に一番めでたい祝言の部分として大事にされています。一般的には『高砂』というと、結婚式などで謡われる「高砂や この浦舟に 帆をあげて」という待謡の部分が有名ですが、私たち能楽師が結婚式や年始などのめでたい折を祝う際に必ず謡うのはこの「四海波」です。観世流ではこの部分を特に気をかけてスピード感をつけ、爽快に謡うことを信条としています。



【訳文】

日本を取り巻く四海の波は静かで、国を吹き渡る風も穏やかさに満ち、誠に天下泰平の御代である。相生の松のように仲良く、豊かに民が暮らせるのは、帝の治世が素晴らしいからに他ならない。私たちにとって、我が君の恵みは本当に有り難いことだ。

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